統合失調症の対人恐怖の克服

統合失調症の対人恐怖の克服

統合失調症の人では対人恐怖を抱えることが少なくないといわれています。なぜ、統合失調症の人では対人恐怖を抱えることが多いのかというと、極めて繊細な性格をしているため、あらゆる刺激(ヒト、音、モノ)に対して過敏反応を起こすからだといわれています。統合失調症の人が対人恐怖を克服するためには、こういった脳の誤作動を除去していく克服法をとっていかなければいけません。何故かというと統合失調症は脳の誤作動がトリガーになり、発症に至るわけだからです。

対人恐怖を克服するために

対人恐怖症は、統合失調症の人の他、神経症(今現在:強迫性障害、パニック障害)、うつ病といった神経が過敏な人に良く見られ、特に日本人では正常な人も含め、対人恐怖的な国民性であるということができます。適度な対人恐怖は問題ありませんが、過剰な対人恐怖、不安は社会生活を営む中で手枷足枷(てかせあしかせ)になる場合がほとんどで、そのような場合、克服する必要があります。しかしながら、統合失調症の症状も、対人恐怖の症状もすべて脳の問題で、たとえば、GABA(γアミノ酪酸)レベルの低下やオキシトシンレベルの低下などがファクターになっており、いくら精神論を解いてみたところで変わるものではありませんし、いくら暴露療法によって、苦手とする対人関係の場に足を踏み入れてみても、根本に存在する脳の問題(The Brain Problems)を解決しなければ、結局何も変わりません。精神療法や行動療法によって、対人恐怖が多少の改善はみられても根本的に、劇的な変化が生じるわけではないということです。

統合失調症のヒトの脳

統合失調症の人の脳は、覚醒系神経伝達物質が常時、過剰になっており、反対に抑制系神経伝達物質の量が低下していることがわかっています。覚醒系神経伝達物質の量が増えると、思考能力、抽象化能力は増加するため、ハッキリ言って統合失調症の人はIQ(知能指数)が高い場合が多いのですが、あまりにも覚醒系神経伝達物質量が増加しすぎていると、パラノイアや関係念慮、ひどくなってくると、幻覚、幻聴といった本格的な統合失調症の症状が誘発されることになります。また、覚醒系神経伝達物質の量は、対人恐怖にも当然関わっており、性格が神経が過敏なのは、この種の伝達物質が過剰で同時にGABA、オキシトシンといった抑制系神経伝達物質量が低下しているためです。動物実験でも人間への治験においてもたとえば、オキシトシンを増加させると、対人不信感がなくなり、対人恐怖を克服した状態になるということが既に数々の研究によりわかっています。[1][2]

統合失調症の対人恐怖の克服のためにできること:

エクササイズの習慣をつけることはオキシトシンレベルの増加につながることがわかっているので、運動不足にならないように毎日何らかのエクササイズを一定時間実行するようにすると良いのです。もちろん、薬の服用も有効ですが、運動を併用した方がさまざまなベネフィットがあります。

周囲の人間は統合失調症の人に対して協力的であるべきです。本人は好きでこの病気にかかっているわけではありませんし、薬を好きで飲んでいるわけではありません。「また薬なんて飲んで!」などという言葉は禁句で、そのような非協力的な姿勢を貫いていると、本人の統合失調症の克服に対し極めて有害になります。統合失調症の研究で名高いナンシー・C・アンドリアセン博士はあるときのインタビューにおいて、精神疾患の回復には、周囲の人間の温かいサポートが必要不可欠であり、本人を社会的に孤立させるようなことは避けるべきであるといっています。

また、統合失調症における対人恐怖も、脳の問題であるので、適切な治療法を上記のプロセスとともに導入していくこともポイントです。

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[1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3378061/
[2]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4453483/

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