統合失調症の陰性症状を克服
統合失調症の陰性症状の状態では脳内のドパミンレベルが下がっており、無気力、モチベーションの低下、ひきこもり状態に陥ることが頻繁にあるといわれています。統合失調症の陰性症状を克服するのには、主治医の話を良く聞き、処方された薬をきちんと飲むことが大切だと思います。統合失調症も薬物療法の劇的進捗によって、主要症状を完全にとはいわなくても、大幅に克服することができるようになりました。
陰性症状と陽性症状
陰性症状:
やる気がしない、ふさぎ込む、うつ的、引きこもり的で他人や社会への関心を失調した状態
陽性症状:
関係念慮、思考伝播、被害妄想、躁的、ひどくなると幻覚、幻聴がみられるようになる
一般に統合失調症とは、陽性症状を指して呼ばれ、認識されているのですが、陽性症状の裏にこの陰性症状が存在しているというわけです。
一般人でも統合失調症を知っている人は少なくないとは思いますが、陰性症状も統合失調症の一部であると認識している人はかなり少ないといえましょう。
陰性症状を薬物療法で克服
一般に、統合失調症の陰性症状を克服する場合、治療薬としてはドーパミンの作動薬(部分的含む)や再取り込み阻害剤を用い、受容体間のドーパミン濃度を高めることが多いです。(また運動療法も当然有効であります。)
無気力、やる気をかくのは、脳内のドーパミンという報酬系に関わり、運動を促進する神経伝達物質が低下しているためだといわれているからです。反対に、陽性症状では、グルタミン酸とともにこのドーパミンという神経伝達物質は上昇していると考えられています。
そのため、ドーパミン遮断薬(※部分的なもの含む)が用いられることが頻繁にあるわけです。
陰性症状は医原性か?
陰性症状は医原性つまり、処方薬の影響である可能性もゼロではありません。何故かというと、薬の副作用で陰性症状がでている場合も当然ながら考えられるからです。しかしながら、統合失調症の患者さんの場合、薬物療法の存在する古くから陰性症状が存在することが知られており、大昔の文献にも記述があります。
そのため、一概に陰性症状は医原性であるとは言えないと思います。躁うつ病のように、躁的な時期(陽性症状)とうつ的な時期(陰性症状)が振り子のように周期的に繰り返されていくわけです。
なぜこの周期が存在するのか今のところ医学的に解明はされていません。
まとめ
統合失調症の陰性症状を克服するには、薬物療法を主治医の見解の元、正しく実行し、体を動かす運動の習慣をつけておくといいです。
運動の習慣だけで陰性症状は軽減するのは確かなのですが、重い症状を抱えている人は、薬物療法も併用するべきだというのが現在の精神医療の見解です。
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